COLUMN お役立ちコラム

住宅ローンの借り方・融資までの流れをわかりやすく解説

住宅ローンは人生で最も大きな契約の一つです。

それと同時に最も大きな借金の一つにもなります。

マイホームを計画する方の中には、実際に取得することが決まってから住宅ローンについて考え始める方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、住宅ローンには審査がありますし、融資の契約をしてから実行されるまでもいくつかのステップがあります。

今回は、初めて住宅ローンを申し込む方に向けて、借り方について詳しく解説します。

特に、ここでは融資までの流れについて詳しくまとめるので、住宅ローンを組む予定の方はぜひ参考にしてみてください。

この記事を読めば、住宅ローンを借りるまでの大まかな手順がわかります。

住宅ローンの審査の大まかな流れ(箇条書きで期間も記載)

まずは住宅ローンの大まかな流れについて見ていきましょう。

特に、ここでは住宅ローンを申請してから契約、実行されるまでの手順についてまとめます。

まずは以下に住宅ローンを借りる方法についてまとめたので、そちらから確認してみてください。

住宅ローンの審査の大まかな流れ
1.金融機関の比較と検討
2.事前審査の申請と合否(1週間前後)
3.本審査の申請と合否(2週間前後)
4.融資の契約(金銭消費貸借契約)
5.融資の実行(返済開始)

1.金融機関の比較と検討

住宅ローンは大きく分けて5つのステップを踏むことになります。

まずは金融機関を比較して検討しなくてはなりません。

日本だけでも住宅ローンを提供してくれている金融機関は多々あるのですが、実は金融機関によって条件が異なります。

たとえば、単に住宅ローンの計画そのものが違うこともあれば、金利が異なることもあります。

特に、金利には固定金利と変動金利があり、それぞれ何を選ぶかによって返済総額も変わるのです。

返済計画によって審査の結果も変わるため、どのような金融機関を選ぶべきなのか真剣に考えなくてはなりません。

2.事前審査の申請と合否(1週間前後)

住宅ローンには事前審査と呼ばれる簡単な審査があります。

これらは金融機関が各々実施している審査で、融資を受けられるのかどうかが判断されます。

この事前審査に合格しなければ、次の本審査に進めません。

なお、これら事前審査の申請から合否までは約1週間かかるため、余裕を持って準備しておきたいところです。

3.本審査の申請と合否(2週間前後)

住宅ローンには本審査とよばれる厳格な審査もあります。

これも金融機関が各々実施している審査で、返済できるかどうかが判断されます。

この本審査に合格しなければ、次の融資の契約に進めません。

ちなみに、これら本審査の申請から合否までは約2週間かかるので、油断せずに必要書類なども用意しておきたいところです。

4.融資の契約(金銭消費貸借契約)

事前審査にも本審査にも合格した場合、融資の契約となります。

これらは金銭消費貸借契約と呼ばれ、金融機関と本人との間で契約を締結することになります。

当然ながら、住宅ローンの借り主は貸し主に対して返済義務を負い、返済計画に従って返済しなくてはなりません。

5.融資の実行(返済開始)

最後に住宅が引き渡された段階で融資が実行されます。

ここから返済開始となり、毎月決められた額を返済していくことになります。

ただし、すべて計画通りに返済できるかは不透明となるため、団体信用生命保険や火災保険などへの加入も含め、緻密な返済計画を立っておくことが必要です。

事前審査と本審査は何が違うのか?

では前述した住宅ローンの事前審査と本審査について、何が違うのでしょうか。

これに関しては審査される項目が異なります。

どちらも債務者本人に融資して良いのかどうかを測る審査となるわけですが、比重としては「事前審査<本審査」となります。

そもそも事前審査に受からないと本審査に進めないため、これらは独立しているようで1つのセットとして考えておく方が良いでしょう。

では、これら事前審査と本審査ではどのような審査項目が設定されているのでしょうか。

これに関しては金融機関によって重視する内容が異なるため、一概にすべてをまとめることは難しいです。

そのため、以下にて多くの金融機関が重視している項目をいくつかまとめます。

1.完済時年齢

2.健康状態

3.担保評価

4.借入時年齢

5.年収

6.勤続年数

7.連帯保証

8.金融機関の営業エリア

9.返済負担率

以上の項目から「事前審査に通して良いのか」「本審査に通して良いのか」を総合的に判断されます。

これらは金融機関も重視していて、なかには返済計画に直結するような項目も散見されます。

まずはこれら事前審査や本審査で見られることを把握し、着実に合格できるよう計画を練っていくことが必要です。

なお、一つの基準として売買契約前に受ける審査が事前審査、売買契約後に受ける審査が本審査と覚えておくことも重要です。

これらは担保物件の評価があるかどうかでも変わり、住宅が確定していないことには審査にも通りません。

そのため、事前審査と本審査で何が必要なのか、今一度、確認しておくことが必要です。

大まかな借入可能額がいくらになるかを知る

金融機関は借りたい分だけ貸してくれるとは限りません。

そもそも住宅ローンをはじめとするローンに対しては、返済負担率というものが設定されています。

仮に年収400万円の方が8,000万円の住宅ローンを組むというのは、明らかに無理があります。

金融機関もそれでは完済せずに頓挫する可能性があるため、そもそも貸してくれません。

これらの基準として設けられているのが返済負担率です。

返済負担率は年収400万円をボーダーラインとして、30%と35%に定められています。

つまりは年収に対して3~3.5割までしか融資を受けられないということを意味します。

これによって債務者を守ることはもちろん、金融機関を守ることにも繋がるわけです。

もしこれから住宅ローンを組むということなら、それら返済負担率を軸に借入可能額を算出してみましょう。

ただし、借入可能額はあくまでも限度額として認識しておくべきです。

実際にこれらは返済可能額とは別物です。

住宅ローンは余裕のある返済ができてこそなので、無理のある返済計画とならないよう借入可能額ではなく返済可能額を意識して契約しましょう。

仮に年収400万円であれば単純計算で年間120~140万円まで借りられる計算ですが、上限まで住宅ローンを組むと病気や怪我をした時に生活が困窮します。

そのため、100万円いかに抑えるなど工夫が必要です。そうして大まかな返済計画を立てていくことが重要です。

住宅ローンの事前審査(仮審査)

住宅ローンを契約する際に最初の難関となるのが事前審査です。

これらは別名で仮審査ともよばれ、本人に融資を受けさせて良いのかが判断されます。

普通に安定した収入があれば事前審査に落ちることはあまりないといわれているものの、非正規雇用だったりフリーターだったりすると落ちる可能性もあります。

当然ながら、無職やニートでも審査に落ちます。

事前審査は金融機関が「この人には貸しても大丈夫そうだ」と判断するための基準だと覚えておきましょう。

なお、事前審査では本人に問題がないかどうかも判断されます。

たとえば、過去に延滞や滞納がある場合は金融事故として扱われ、最悪の場合は信用情報機関に登録されていることもあるかもしれません。

いわゆるブラックリストに掲載されていると事前審査にすら落ちる可能性もあります。

また、ほかのローンを組んでいたり、クレジットカードの支払いが残っていたりすると落ちる可能性があります。

特に、残債や債務のある状態では事前審査に落ちる可能性もあるのです。

そのほか、消費者金融などから借り入れしている場合も事前審査に落ちることがあります。

事前審査と聞けば「誰でも通るでしょ」と思うかもしれませんが、それは雇用形態が正社員である場合や職場が安定している場合などに限ります。

少しでも問題があると落とされる可能性もあるので、十分に気を引き締めて挑みましょう。

住宅の売買契約をする

事前審査に通ると住宅の売買契約を結べます。

多くの方は工務店やハウスメーカーのほか、不動産業者などと売買契約を結ぶことになります。

売買契約は次の本審査で必要となるものなので、必ず事前審査に合格した段階で締結しておきましょう。

ただし、この時点で手付金など諸々のお金を支払うことになるのですが、本審査に受かるかどうかは不透明です。

なかには事前審査に受かっていたとしても本審査に落ちてしまうことがあります。

むしろ本審査が本番なので、そこは落ちても手付金が戻ってくるよう住宅ローン特約・ローン条項などがあるかどうかも確認しておいてください。

住宅ローンの本審査

事前審査に通って売買契約を結んだら、いよいよ本審査となります。

本審査に受からなければ住宅ローンを借りられないため、ここが本番となります。

主に住宅ローンの本審査は10日間~数週間かかるとされ、最長では3週間以上かかることもあります。

その間に必要書類を作成しつつ、郵送などで提出しなくてはなりません。

その間は意外にも時間がないため、本審査を受けている間にも計画を進めていくべきです。

ちなみに、本審査に受かるためには借入時年齢が20歳以上、完済時年齢が80歳以下、勤続年数1~3年以上、年収200~400万円以上であることが一般的となります。

これは金融機関ごとに異なるのですが、一般的な本審査の基準として覚えておくと安心です。

併せて、本人の自己資金がどれくらいあるのか、雇用の状況はどうなのか、信用の情報は傷がないかどうか、健康の状態は良好なのか、担保物件の評価は適切かなどが見られます。

これらが揃って本審査に通るので、そこは心して計画を進めなくてはなりません。

本審査に通過したら住宅ローン契約を締結

最終関門である本審査に通過したら、いよいよ住宅ローン契約を締結することになります。

これらは金銭消費貸借契約と呼ばれるもので、多くの場合は団体信用生命保険への加入が前提となります。

そのほかにも火災保険などに加入しなくてはならないなど、保険について細かな決定が必要です。

団体信用生命保険とは、契約者本人が死亡または高度障害を抱えた際に住宅ローンを弁済してもらえる保険となります。

いくら万全の状態であっても契約者本人に何があるかわからないため、金融機関の多くは団体信用生命保険への加入を前提として契約を進めます。

火災保険とは、物件が火災などによって消失した際に保険金が支払われる保険となります。

日本では火災の被害に遭う方も少なくないため、金融機関でも物件を失う恐れのある災害に備えることを前提として契約を進めるわけです。

これら住宅ローン契約とは言っても保険の加入などが必要となるため、併せて話を進めていきましょう。

住宅ローンの融資実行

最後に住宅ローンの融資が実行されます。

この際、不動産業者をはじめ銀行指定の司法書士や買主、売主が集合して最終確認を行います。

貸し主と借り主の書類について不備がないかどうかも確認し、問題がなければ司法書士に手続きの準備が整ったことを伝え、いよいよ融資の実行です。

その後、振込完了が確認され、鍵と領収書を受け取ってすべての売買取引が完了となります。

最終的に司法書士が法務局へ出向き、抵当権設定登記などの手続きを行えば、夢のマイホーム生活が始まります。

ただし、それと同時に返済も開始されるため、完済するまでは油断できません。

きちんと毎月支払えるよう、誠意ある対応を見せることが重要です。

「住宅ローン控除」や「すまい給付金」の申請

もし経済的負担を少しでも減らしたい場合は住宅ローン控除とすまい給付金を活用しましょう。

住宅ローン控除は入居してから10年間、所得税や住民税が控除される精度となります。

これら住宅ローン控除は住宅ローン残高の1%が控除される仕組みで、仮に4,000万円の受託ローン残高がある場合は40万円まで控除されるのが特徴です。

ただし、2022年からは限度額3,000万円で利率も0.7%となるため、今までよりも恩恵は少なくなります。

その一方、それでも所得税や住民税が控除されるのはありがたいので、ぜひうまく活用しましょう。

すまい給付金は対象者に対して、消費税増税に合わせた支援措置であり、住宅ローン控除と同時期に導入された給付制度です。

本来、収入が少ない方ほど住宅ローン控除の恩恵を受けられないのですが、すまい給付金があることで最大50万円まで受け取れます。

もちろん給付額は対等者ごとに変わるものの、こちらも活用することで経済的負担を軽減できます。

まずはどちらの精度もうまく活用して、住宅ローンを賢く返済していきましょう。

まとめ

住宅ローンは金融機関を選んで、事前審査と本審査を通過し、最後に契約して融資を実行すれば完了です。

しかし、その間に必要となる手続きなども多く、意外にも時間がかかります。

特に、事前審査は1週間、本審査は2週間ほどかかります。

長ければ3週間以上かかることもあるので、極力早めに申し込んでおくべきです。

ただし、住宅ローンを初めて組む方はわからないこともあるので、早目に金融機関に相談してみましょう。

また、必要であれば司法書士やファイナンシャルプランナーなど、お金の手続きに詳しい専門家に相談してみるのもおすすめです。