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注文住宅の諸費用とは?諸費用の内訳とおおよその費用についてわかりやすく解説

注文住宅は建売住宅と異なり、土地を購入してから建物の建築に取りかかるというパターンが多いです。

しかし、そうなると厄介なのが、諸々の支払いでかかってくる諸費用です。

諸費用には、土地購入の際にかかるもの、建物建築の際にかかるもの、住宅ローンの際にかかるものなどがあります。

これら諸費用を合計すると数百万円以上となる場合が多く、あらかじめ現金で準備できるという方は少ないかもしれません。

だからこそ、夢のマイホームを取得する際には諸費用の内訳を知っておくことが重要です。

あくまでも諸費用はおおよそとなってしまうものの、どれくらいかかるかを把握しておくことで計画も立てやすくなります。

今回は、注文住宅を取得する際にかかる諸費用について解説します。

建売住宅などを取得する際にも役立つので、ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。

諸費用にかかる項目

住宅のように人生で最も大きな買い物をする際、融資を受けて返済していくというのが王道の流れとなります。

しかし、建売住宅など土地と建物がセットで販売されているものは諸費用もそこまで複雑ではないのですが、注文住宅など土地と建物を別々で取得するものは諸費用も各項目で発生してしまいます。

まずは土地購入にかかる項目、建物建築にかかる項目、住宅ローンでかかる項目ごとにどれくらいの諸費用がかかるのかを見ていきましょう。

土地購入にかかる項目

土地を購入する際、主に仲介手数料や事務手数料、登録免許税や印紙税、不動産取得税や固定資産税などがかかります。これらは合計すると約100~150万円前後かかります。

それだけでなく、土地を購入するには手付金が必要となり、土地の販売価格に対して10%ほどになるのが一般的です。

たとえば、3,000万円の土地であれば300万円ほどの手付金が求められます。

なお、これら手付金は住宅ローンの審査前に支払うのが慣例なので、現金で用意しておかなくてはなりません。

それらをまとめると土地購入にかかる項目だけで、諸費用は約400~450万円前後となる計算です。

建物建築にかかる項目

建物を建築する際、設計料や登記料、不動産取得税や固定資産税、各種ライフラインの加入代、地鎮祭や上棟式などでのお金がかかります。

これらは合計すると約50~75万円前後かかります。

特に工事費に関しては全体の4%~7%ほどかかるとされ、仮に3,000万円の工事費に対しては120~210万円ほどの諸費用がかかる計算です。

それでいて建築士などにデザインを依頼している場合は、さらに工事費が10~15%ほどになる場合もあります。

当然、こだわりのある理想のマイホームにしようとすればするほど、諸費用も膨らんでしまうわけです。

それらをまとめると建物建築にかかる項目では、諸費用が約300~350万円前後となる計算です。

住宅ローンでかかる項目

住宅ローンを組む際、事務手数料や保証料や保険料、抵当権設定登録免許税や印紙税がかかります。

これらはそこまで高額になることはありませんが、それでも決して安いとはいえません。

仮に一般的な住宅ローンで保証料や保険料を合算すると、その合計は約10万円前後となります。

特に、これら保証料は住宅ローンでかかる諸費用の中でもかなりの割合を占めるだけでなく、自己資金で賄う必要があります。

支払い方法に関しては一括で支払う外枠方式と金利に含める形で支払う内枠方式があるのですが、どちらにせよこれら保証料の経済的負担が大きいです。

併せて、住宅ローンには保険料もかかります。

金融機関によってはフラット35など団体信用生命保険などへの加入が任意という場合もありますが、通常の民間銀行となると審査通過の必須条件となっている場合もあります。

そのほかにも火災保険や地震保険など、住宅ローンを組む際に考えておきたい保険料もあると覚えておきましょう。

諸費用の合計

では、具体的に土地や建物、住宅ローンにかかる諸費用の合計はどれくらいになるのでしょうか。

これに関しては手付金を除外すれば450~500万円ほど、手付金を含めれば700~800万円ほどになります。

ただし、こればかりは取得する住宅によって大きく異なります。

土地も建物もどれくらいの価値になるのかは一概にいえません。

だからこそ、自身の条件に照らし合わせて、いくらくらいの諸費用となるのかを計算する必要があります。

その上で土地と建物と住宅ローンに分けて考えることは重要なので、具体的な諸費用が見えてこないという場合は、一つずつ分けて考えてみましょう。

それでも難しい場合は依頼する不動産業者や建築業者、契約する金融機関に相談するのが賢明です。

その一方、司法書士などに相談するとその報酬でさらに諸費用がかかってしまうため、そこは慎重に検討しなくてはなりません。

本体以外にかかる付帯工事費

家を作るとなると土地を購入して建物を建築していくわけですが、本体以外にもかかる付帯工事費なるものが存在します。

なかでも、解体工事や造成工事、基礎工事などを行う場合は、それに伴って別途費用がかかるのです。

さらにはインテリアやエクステリアにもこだわるとなると、その分の現金を準備しておかなくてはなりません。

ここではそれら本体以外にかかる付帯工事費についてまとめます。

1.解体工事

単に建物のない土地を取得した場合なら問題ないのですが、すでに建物のある土地を取得した場合は解体工事が必要となります。

もしくは自身がもともと所有していて、建て替えなどをする場合にも解体工事が必要です。

解体工事では足場を作成したり、騒音・振動・粉塵を防止するための保護シートを養生したり、何かとお金がかかります。

それだけでなく、塀や柵、庭や畑、物置や倉庫などを移設・撤去する場合にもお金がかかります。

本体以外にそれら解体工事が必要となることがあるので、その点も加味して考えておきましょう。

2.造成工事

土地に高低差がある場合、建物を建てるために平らにしなくてはなりません。

敷地内を整えることを整地とよぶほか、盛り土をして崩れないように築く壁のことを擁壁とよびます。

これらはまとめて造成工事とよばれ、傾斜のある地域などでは必須の工事となります。

これらも本体工事以外にお金がかかるので、敷地によっては総勢工事があることも忘れてはなりません。

3.基礎工事

地域によっては地盤がゆるい場合があります。

軟弱な地盤を補強するために行うのが基礎工事です。

多くの場合は地盤調査を行い、補強が必要だと判断された場合に補強工事が実施されます。

当然ながら、地盤を強化するには地盤改良工事が必要となるため、それなりのお金が必要です。

4.インテリア工事

理想の空間を構築するには、家具家電が必須となります。

これら家具家電は生きていくために必要なものも多く、すべて買い揃えるとなると数万円~数十万円ほどのお金がかかります。

それだけでなく、電気を必要とする家具家電に備えて電設工事も必要となるでしょう。

壁紙や床材の工事のほか、電設工事では空調設置工事なども含まれるほか、照明工事なども含まれます。

近年であればインターネット関連の工事も避けられません。

快適な生活を送るためにはインテリア工事も欠かせないので、それらにかかるお金も計算しなくてはなりません。

5.エクステリア工事

素敵な住環境を整えるには、内装も重要ですが外装もまた重要となります。

特に外構工事では門柱や門扉、フェンスやガレージなどを設置できます。

しかし、当然ながらそれらの外構工事をするとなるとまとまったお金が必要です。

ガーデニングなどを行う場合は造園工事も必要となるでしょう。

こうしたエクステリア工事にかかるお金も組み込んで計画を立てましょう。

その他にもかかる費用

諸費用となると大々的なものばかりに目が向いてしまいますが、実際にはほかにもこまごまとかかるお金がいくつかあります。それが以下のようなものたちです。

  1. 仮住まい
  2. 引っ越し
  3. 式祭典
  4. 挨拶

以上、諸費用の他にかかるお金となります。

あくまでもこれは一部ですが、家を持つ際には必ずといって良いほど必要となるもののため、これらのお金も事前に準備できるよう動きましょう。

たとえば、家が完成するまではどこか別の場所で生活する必要があります。

その際は仮住まいにお金がかかります。

また、家が完成して実際に入居するとなった場合、仮住まいから引っ越さなくてはなりません。

引っ越しにも10~30万円ほどのお金がかかります。

当然ながら、家が完成した際には地鎮祭や上棟式などの式祭典も必要です。

新生活を送る際には近所への挨拶も必要となるでしょう。

これら近所の方への挨拶では手土産を持参するのが通例です。

このように、仮住まいや引っ越し、式祭典や挨拶などで別途お金がかかることも忘れてはなりません。

諸費用の支払いに住宅ローンが使える?

諸費用は本来、現金で支払いたいところです。

しかし、手持ちの自己資金がないという方も少なくありません。

貯金や貯蓄があるのなら良いのですが、日々の生活でなかなか貯められないという方も多いです。

その際、つなぎ融資などを活用するのがおすすめです。

本来、住宅ローンは物件が完成して引き渡された際に融資が実行となります。

つまり、建物がない状態で土地を先に取得する場合、住宅ローンの融資では賄えないということです。

しかし、つなぎ融資などはそれら住宅ローンの一部を先に活用し、入居までは利息のみを支払うことで対応できる仕組みとなっています。

そのため、どうしても諸費用を現金で払えそうもない場合は、つなぎ融資の活用なども検討してみましょう。

ただし、つなぎ融資は通常の住宅ローンとはまた別物で、金利も割高に設定されています。

そのため、利息の負担が増大することは視野に入れておきましょう。

まとめ

家の取得方法にはいろいろあり、建売住宅を取得する人も一定数存在します。

しかし、やはり夢のマイホームを手に入れたいと思うなら注文住宅などを選ぶのがおすすめです。

その一方、それらの住宅によっては諸費用がかかります。

それも数十万円~数百万円単位でお金がかかるため、内訳については事前に理解しておく必要があります。

ぜひ、この記事を何度も読み、諸費用に備えましょう。