住宅を新築したり購入すると毎年の納税義務が発生するのが固定資産税です。
「固定資産税はいくらくらいかかるのか」「固定資産税の納税タイミングはいつか」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、不安を払拭して新築の計画を立てられるよう、固定資産税の納付方法や時期、税金対策を解説します。
固定資産税とは、所有している土地や建物などの固定資産に対し毎年課税される地方税のことです。
毎年1月1日時点の所有者に対し市町村から納税通知書が送られ、納税しなければなりません。
ここからは、上記3点における固定資産税の特徴を解説します。
固定資産税が課される対象は、土地・家屋・償却資産の3つ。
毎年1月1日時点の土地・家屋の所有者に納税義務が課されます。
そのため、新築を購入するとその土地と建物(家屋)の所有者は納付しなければなりません。
また、会社で使用するパソコンや工具・貨物車といった、事業のために反復継続して使用される資産のことを償却資産といいます。
固定資産税を算出する元になる固定資産税評価額を不動産の市況や建物の経年を加味して見直すことを評価替えといいます。
固定資産税は3年に1度、その評価替えを実施し、それによって納付額も変動します。
評価替えにより納税額は適正に算定されるため、納税額がいつまで経っても変わらないなどの問題は避けられるでしょう。
固定資産税の納税方法は、以下の4通りです。
ここからは、それぞれの特徴を解説します。
【窓口納付】
窓口の営業時間であれば、納付書によりいつでも納税が可能です。
窓口で手続きできる場所は以下のとおりです。
領収書・受領書が必要な人は、ほかの支払い方法では発行されないので、必ず窓口手続きを選択しましょう。
【口座振替】
窓口に直接行く手間が省けて自動で納税が完了します。
口座振替であれば納税を忘れることもなく決済手数料も不要なので、会社勤務などで日中忙しい人にはおすすめの納税方法です。
【クレジットカード払い】
クレジットカード払いのメリットは、各カード会社が提供しているポイントが貯まることです。
デメリットは、各市区町村のwebサイトかYahoo公金支払いサイトなどでしか手続きできない点です。したがって、銀行やコンビニエンスストアなどの窓口では、クレジットカード払いができないので注意してください。口座振替と異なり、決済手数料も必要になります。
【ATMやインターネットバンキングによる支払い】
銀行や税事務所の窓口に行かずに、ATMやインターネットバンキングを利用して納税する方法です。
インターネットバンキングを利用すれば、自宅や外出先からパソコンやスマホで簡単に納税が可能です。
決済手数料もかからないため、手元に現金を持たずに簡単に納税を済ませたい人に向いているでしょう。
新築時の固定資産税は15〜20万円が平均値とされていますが、軽減措置の適用有無によって変動があります。
新築の固定資産税を把握するには、まず土地と建物の基本的な固定資産税の計算方法を理解することが必要です。そして、新築特有の軽減措置を理解して納税額を減額しましょう。
順番に見ていきましょう。
土地における固定資産税の計算方法は以下のとおりです。
固定資産税額=固定資産税評価額(課税標準額)×税率(基本は1.4%) |
厳密には、固定資産税評価額ではなく、課税標準額に税率をかけて固定資産税額を求めます。
特に都市部の固定資産税評価額はかなり高くなっているので、税額が高くなりすぎないように負担調整をかけて課税標準額が決められています。
実数値では、課税標準額は固定資産税評価額よりもかなり低くなっていることもありますので、自身の納税通知書を確認しましょう。
固定資産税を概算する際、固定資産税評価額(課税標準額)は購入した土地価格の70%が目安となります。
例えば3,000万円で土地を購入した場合、固定資産税の目安は以下のとおりです。
3,000万円×70%×1.4%=29万4,000円 |
上記の場合、約30万円の固定資産税を想定しておく必要があります。
基本的な建物の固定資産税の計算方法は以下のとおりです。
固定資産税額=固定資産税評価額(新築時の価格×経年減点補正率)×税率(1.4%) |
経年減点補正率とは、「建物の経年に伴って価値が減少する分の新築時の価格に対する割合」です。
建物も固定資産税を概算するときは、固定資産税評価額は新築時の建物価格の60%を目安とするとよいでしょう。
仮に2,000万円の建物を購入した場合、固定資産税の目安は以下のとおりです。
2,000万円×60%×1.4%=16万8,000円 |
上記の場合、約17万円の固定資産税を想定しておかなければなりません。
固定資産税を概算できたら、次は軽減する方法を理解しましょう。
ここで注意すべきポイントは、土地や建物に対する軽減措置を受けるためには、自分で申告しなければならないことです。したがって、軽減措置は忘れずに申請しましょう。
軽減する方法は以下の3つ。
順番に解説していきます。
固定資産税の税金対策として、住宅用地の軽減措置があります。
主な内容は、以下のとおりです。
・住宅用地のうち200㎡までの部分を小規模宅地と呼び、この部分について評価額が1/6に減額される ・200㎡を超える部分を一般住宅用地と呼び、この部分の評価額が1/3に減額される |
住宅用地の軽減措置は期間などの適用条件はなく、申請すれば永続的に軽減されるので必ず申請しましょう。
評価額の減額割合がかなり大きいことから、減税効果は非常に高いといえるでしょう。
新築の特例軽減措置を適用することも、税金対策の1つです。
主な内容は以下のとおりです。
1戸あたり120㎡までを限度として3年間固定資産税額が1/2に減額される |
なお、新築の特例軽減措置を受けるためには、2024年(令和6年)3月31日までに新築された住宅であることが適用条件とされています。
火事や地震などにより固定資産が影響を受けた場合は、自治体ごとに減免措置を受けられます。
鹿児島県の場合は、その被害の程度によって災害発生日以降の納期分の固定資産税・都市計画税全て、もしくは一部が免除される場合があります。
ただし、この制度を利用する場合は、各市区町村の資産税課などで減免措置を申請しなければなりません。
※参考:鹿児島市ホームページ
新築の固定資産税を支払う際の注意点は以下のとおりです。
順番に見ていきましょう。
固定資産税を滞納すると、当然ながら遅延損害金が発生します。
令和4年1月1日以降の規定では、遅延発生後最初の1ヶ月が年利2.4%、2ヶ月目からは年利8.7%の遅延損害金を払わなければなりません。
また、固定資産税の分割納付を選択した場合、多忙な方にとって年に4回の納付は思った以上に手間がかかるといえるでしょう。
したがって、納付方法を自動振替もしくは一括納付にして滞納を避けましょう。
土地・建物の軽減措置を受ける際、自動的に減税されることはないので、自ら申請しなければなりません。申請方法はシンプルです。住宅用地等申告書に必要事項を記入して、各自治体の資産税課などの窓口に提出するだけです。
期間の定めがない軽減措置もあるので、なるべく申請しましょう。
市街化調整区域や、都市計画区域外に新築を建てる場合は対象外ですが、市街化区域内であれば固定資産税以外に都市計画税も課税されます。
都市計画税は、自治体が都市計画法に基づいて行う都市計画整備事業や土地区画整理事業に要する費用を賄うために、目的税として課税する地方税です。
税率は0.3%と低めで固定資産税と同じように軽減措置もありますが、まず自分の土地が市街化区域内か否かを確認しましょう。
ここまでの解説に基づいて、新築一戸建ての固定資産税を実際にシミュレーションしてみましょう。鹿児島市内に新築を建てると仮定し、シミュレーション条件は以下。
【条件】 ・土地:250㎡(約75坪)、4,000万円 ・建物:100㎡(約30坪)、3,000万円 |
【土地の固定資産税】 ・4,000万円×0.7×1.4%=39万2,000円 【建物の固定資産税】 ・3,000万円×0.6×1.4%=25万2,000円 【土地・建物における固定資産税の合計】 ・39万2,000円+25万2,000円=64万4,000円 |
軽減措置を適用せず、そのまま課税されたら年間64万4,000円程度の固定資産税を想定しておかなければなりません。
次に、軽減措置を適用した新築後3年間の固定資産税を計算します。
【土地の固定資産税】 ・39万2,000円×4/5×1/6=5万2,000円(250㎡のうち4/5に相当する200㎡までは1/6に減額される) ・39万2,000円×1/5×1/3=2万6,000円(250㎡のうち1/5に相当する200㎡を超える部分は1/3に減額される) ・5万2,000円+2万6,000円=7万8,000円(上記の合計) 【建物の固定資産税】 ・25万2,000円×1/2=12万6,000円(新築後3年間、延床面積120㎡までは1/2に減額される) 【土地・建物における固定資産税の合計】 ・7万8,000円+12万6,000円=20万4,000円 |
最後に、軽減措置を適用して新築から4年が経過した際の固定資産税を計算していきます。
・土地:7万8,000円(期間の制限なし) ・建物:25万2,000円(軽減措置の期間制限後) |
上記のとおり、軽減措置を適用してから4年が経過した場合、土地・建物の固定資産税は33万円となります。以下は、これまでの固定資産税を表にわかりやすくまとめました。
軽減措置の適用なし | 軽減措置の適用あり | ||
期間 | 永年 | 当初3年間 | 4年目以降 |
土地の固定資産税 | 39万2,000円 | 7万8,000円 | 7万8,000円 |
建物の固定資産税 | 25万2,000円 | 12万6,000円 | 25万2,000円 |
土地建物固定資産税 | 64万4,000円 | 20万4,000円 | 33万円 |
結果を比較してみると、軽減措置の効果がかなり大きいことがわかります。建物の新築後3年間の特例が経過しても、軽減措置を受けない場合の約半分の納税額に減額されます。
シミュレーションでもわかるとおり、軽減措置を適用しないでいると年間30万、10年で300万円以上も差が生じることが理解できるでしょう。
したがって、軽減措置は忘れず申請することをおすすめします。
新築において資金計画を立てる際には、住宅ローン以外に固定資産税などの支出があることも想定して、生活設計が成り立つかの検証が必要となります。
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